4月から小学1年生のお子さんたちは、この春休みを楽しく過ごしているところでしょうか。お子さん達も不安と期待で胸いっぱいですが、親御さんもそれは同じですよね。ドキドキされている方も多いのではないかと思います。親御さんが不安に感じられているように、実は子ども側も大きな不安を抱えている場合もあります。
前回の記事では、新小学1年生のお子さんとその親御さんが抱えやすい不安をピックアップしてみました。(こんなお悩みありませんか? 小学校入学に向けた親子の不安とサポート)
今回のブログ記事では、小学校生活に入るための準備について心理学的な視点も交えて解説していきたいと思います。
子どもが感じる「小学校への不安」とは?

知らないこと・分からないことへの不安
近年では、幼稚園や保育園時代に小学校に見学に行くところも増えてきましたが、それでも子ども達からすれば小学校という未知の場所は不安に感じるものです。「小学校ってどんなところ?」「授業って何?」「勉強できるかな・・・?」「友達できるのかな?」などと不安に感じている子は多いものです。未知の環境は大人でも不安に感じるものです。小さな体の子ども達にとってはその不安も更に大きいものとなっているかもしれません。
生活リズムの変化
小学校に入ると朝早く起きなければいけないというご家庭もあるかもしれませんね。それだけでなく、学校生活では授業のある時間は座って授業を受ける必要があります。長時間じっと座っておくという経験が少ないお子さんからすると初めての経験になります。それ以外にも給食のある学校では、給食当番が決められ配膳を行います。幼稚園や保育園では先生がしてくれていたところも多いのではないかと思います。少しずつ給食時のルールなども知っていくことになるでしょう。
友だち関係の不安
地域にもよりますが、基本的に幼稚園や保育園と違いクラス全体の数も増えます。そうなると自ずと新しいクラスメイトが増えますので「仲良くできるかな?」という不安も出てくるでしょう。それ以外にも学校では新しい先生に当たりますので「先生とはどんな人かな?」などと感じることもあるでしょう。人それぞれ相性はありますから、すべての人と仲良くなるということは難しいかもしれませんが、仲良く過ごせたらいいなと思うのは自然なことですよね。
「できるかな?」のプレッシャー
また、学校生活では求められることが多くなります。勉強やテストも始まりその結果学期毎に成績が付きます。勉強に対して不安を感じている子ども達はこれらに対して不安が強く出ることもあるでしょう。しかしそれだけでなく、成績や点数がつくことで周りのお友達と比べてしまう心理も発生してきます。気にし過ぎてしまうとプレッシャーに感じる子もいますので、感じ過ぎないようなサポートは必要になってくるでしょうね。
💡 心理学的視点:「認知的不協和」
認知的不協和とは?
人は、自分の「知識」や「経験」と、新しい情報が矛盾すると、不快な心理状態(不協和)を感じます。この不快感をなくすために、人は「情報を得る」「新しい環境に慣れる」といった行動をとるようになります。
小学校入学に当てはめると?
子どもにとって「小学校」は未知の世界。
「幼稚園・保育園とは違うルールがある」「授業やテストがある」「親がずっと一緒にいるわけではない」など、新しい情報が今までの経験と矛盾し、不協和を生む状態になりやすいと言えます。
→ これが不安の正体。
どうすれば不協和を軽減できる?
✅ 事前に「小学校とはどんな場所か」を伝えておく(認知のギャップを減らす)
✅ 「体験」することで実感させる(通学路を歩く、学校の写真や動画を見せる)
✅ 「できそう!」という成功体験を増やす(持ち物を準備する練習をする)
などが挙げられます。
小学校入学前にできる具体的な準備
生活習慣の準備
小学校にあがると起きる時間が変わる子も少なくありません。春休みの間に少しずつ起きる時間やそれに伴う寝る時間などを設定し合わせていけるといいでしょう。これまでと起きる時間に差が大きくある子は、一気に時間を設定するよりも徐々に合わせてあげる方が上手くいくかもしれません。
また、朝起きる時間の設定だけでなく、お子さんが小学校に通ってからするであろう朝の準備を一緒に練習してあげるのもいいですね。朝食の時間や制服やランドセルの準備など前夜にしておいた方がいいものはその流れも一緒に確認しておくとよいでしょう。最初は手厚く親御さんがサポートしてあげる流れで構いませんが、子どもが1人でもできるように何をすべきかという一覧表などがあると可視化されて子ども側もそれを見て動けるようになると思います。
学校のシステムを知る
ひと昔と違い、今では絵本や動画で「小学校ってどんなところ?」というのを分かりやすく解説してくれているものがあります。絵や映像などがあると視覚的に理解しやすいですから、小さな子ども達にも伝わりやすいでしょう。学校の中のことは入ってみないと確認できないことが多いですが、入学前に学校の周辺を一緒に歩いて「校門ってどこだろう?」などと確認できるところは先にしてあげるのもいいですね。
自分でできることを増やす
これまでにも何度もお伝えしているように、学校では【自分でできることは自分で】を求められます。特に自分の持ち物の管理などは基本中の基本となりますので、親御さんが手伝い過ぎないようにしていきたいところです。親御さんはあくまでもサポート役だということを忘れないようにしましょう。特に子ども自身が「自分で選ぶ」「自分でしまう」という練習ができるような環境を家庭で整えていくと、学校生活の中でも自然とできていくと思います。
通学路の確認
学校では集団登校等があり、基本的には子ども達だけで登校する場合が多いでしょう。幼稚園や保育園時代は親御さんに送り迎えをしてもらうのが当たり前だったので、子ども達からすると新鮮に感じるかもしれませんね。初めてすることは不安も大きくなりやすいですから、事前に実際に通学路を歩いて信号の確認や危険な場所のチェックなどをしておくと安心でしょう。迷ってしまった時にどうしたらいいのかというシュミレーションも一緒にできると尚いいですね。
💡 心理学的視点:「自己効力感(Self-Efficacy)」
自己効力感とは?
「自分にはできる!」という感覚(自己信頼感)のことを言います。
自己効力感が高いと、新しいことに挑戦しやすく、ストレスを感じにくいでしょう。
小学校入学に当てはめると?
子どもが「小学校の生活に適応できるか不安」と感じるのは、「自分にできる!」という自信が少ないからとも言えます。
自己効力感が低いと、「失敗するかも」「難しそう」と思い込み、不安が強くなる傾向があります。
どうすれば自己効力感を高められる?
✅ 小さな成功体験を積み重ねる
→ たとえば、「自分でランドセルを準備できた!」「通学路を歩けた!」という体験を増やしていけるといいでしょう。
✅ 親が「できたね!」と具体的に褒める
→ 「すごいね!」だけではなく、「自分で用意できたね」「通学路、ちゃんと覚えたね」と、行動を具体的に認めてあげましょう。
✅ 成功する機会を作る
→ いきなり「全部1人でやってみて!」ではなく、少しずつステップを踏ませると成功体験も経験しやすくなるでしょう。
(例)親と一緒に準備 → 途中から1人でやってみる → できたら「できたね!」などと声をかける。
不安を感じやすい親のマインドセット
親の不安を子どもに映さない
子どもは親御さんのことをよく見ています。その為、親御さんが「うちの子大丈夫かしら・・・?」などと不安を見せると、その不安なお気持ちは子どもにも伝わりやすいです。親御さんの不安なお気持ちも理解できますが、親御さんの不安なお気持ちでよりお子さんを不安にさせてしまうなんてことは避けたいですよね。毅然とした態度で子ども達と接するように心がけましょう。
子どもの不安を受け止める
子どもがネガティブな発言をしていると、よくあるのは「大丈夫、大丈夫。」と親御さんが落ち着かせる対応を取られることが多いです。しかし、この言い方で納得しない子も少なくありません。子どもがネガティブな発言をしてきた時は、「そうだよね、不安だよね。」などとしっかりその発言を受け止めてあげることが大事でしょう。
その上でどうしたら大丈夫になるのか一緒に考えてみてもいいですね。
失敗OKのスタンスを持つ
小学生になるとはいえ、まだまだ子どもは未熟な部分もあります。最初からすべて上手くできる子なんていないということは理解してあげましょう。そして、親御さんのスタンスとしてはお子さんが失敗したことを責めるのではなく、失敗しても「頑張ったね!」と頑張ったプロセスを認めてあげることが大事だと思います。そうした対応を続けることで、子ども達の中では失敗がダメという捉え方が小さくなっていくと思います。
💡 心理学的視点:「安全基地(Secure Base)」
安全基地とは?
親や養育者が「安心できる存在」であることで、子どもは新しい環境に適応しやすくなるというものです。
→ 子どもが不安を感じたときに「戻れる場所」があることで、安心して挑戦できます。
小学校入学に当てはめると?
学校という未知の環境に対して、子どもは「うまくやれるかな?」と不安を感じやすいものです。
このとき、親がその不安を受け止めてあげたり、「失敗してもいいよ」「おうちで話を聞くからね」と伝えることで、子どもは安心感を持てるようになるでしょう。
どうすれば「安全基地」を作れる?
✅ 子どもの不安に共感する
→ 「そんなことで不安なの?」ではなく、「そうだよね、不安だよね」と受け止めてあげましょう。
✅ 失敗OKのスタンスを持つ
→ 「間違えてもいいよ」「最初はみんなうまくできないよ」と伝え、失敗を怖がらせないようにしたいですね。
✅ 「行っておいで!」より「帰ってきたら話を聞くね」
→ 学校に送り出すとき、「楽しんできてね!」と言うのも大事だが、「帰ってきたら何があったか教えてね」と伝えると、子どもは何を伝えようかなと考えてくれるようになるかもしれません。
まとめ
小学校入学というのは、子ども達にとって大きな変化の時期でもあります。「分からないことが怖い」というのは人間という生き物が感じる自然な感情であるということは理解しておきましょう。
事前準備をしながら、「できた」という成功体験を積むことで子どもは安心感や自己肯定感を育むことができるでしょう。親御さんも子どもに不安を見せすぎないようにはしていきたいですし、親御さん自信がポジティブな姿勢を心掛けていくとそれは子ども達にもいい影響が生まれる可能性は大いにあると思います。
🌸 親子で小学校生活を楽しむために、今からできることを一緒に始めていきましょう!
コメント