新学年スタート!親が知っておきたい子どもの不安と成長をサポートする心構え

家庭教育の学び

春休みが終わり、いよいよ新学年がスタートします。子どもたちは新しい環境への期待とちょっぴりの不安を抱えていることでしょう。特に、小学校に入学するお子さんや、中学校に進学するお子さんを持つ親御さんは、期待と同時に心配も大きいのではないでしょうか。

私たちも訪問カウンセラーとして、新学期に向けて全国のご家庭を訪問し、お子さんの様子や親御さんの不安に寄り添っています。その中で見えてきた、新学年をスムーズにスタートさせるための親の心構えを、最新の教育事情や子どもの発達心理を踏まえ、より具体的にご紹介します。

新小学1年生の親御さんへ:ドキドキ新生活を笑顔でスタートさせるために

小学校入学は、お子さんにとって初めての大きな環境変化です。

「学校ってどんなところ?」「先生は優しいかな?」「勉強についていけるかな?」と、期待と不安が入り混じった気持ちを抱えていることでしょう。

ポジティブな声かけを意識する

「学校は楽しいところだよ」というのを子どもがイメージしやすい声かけがいいでしょう。「新しいお友達がたくさんできるね!」「ランドセルとっても似合ってる、お姉さん(お兄さん)だね!」と、笑顔で小学校の話をすることが大切です。「給食を残さず食べなさい!」「先生に何か言われたらすぐに教えてね!」といったネガティブな言葉は避け、お子さんが学校に対して前向きなイメージを持てるように心がけましょう。

具体的なイメージを共有する

通学路を一緒に歩いてみたり、教科書や文房具を一緒に準備したりする中で、「教室にはたくさんの絵が飾ってあるんだって」「こんな勉強をするんだって」と、具体的な学校生活のイメージを共有すると、お子さんの不安が和らぎます。

安心できる言葉でサポートを伝える

「最初はママも一緒に準備を手伝うからね。困ったことがあったら、いつでも言ってね」と、親御さんが味方であることを伝え、安心感を与えましょう。「何かあったらいつでも聴くよ」という姿勢を親御さん側が持ってくださっていると、子ども達も話しやすいでしょう。

入学前の家庭学習について

入学前にひらがなや数字の読み書きを完璧にする必要はありません。それよりも、絵本を読んだり、一緒に遊んだりする中で、学ぶことの楽しさを伝えることが大切です。最近の研究では、幼少期の非認知能力(自己肯定感、意欲、協調性など)が、その後の学力や社会性に大きく影響することがわかっています(出典:文部科学省「幼児期の教育と小学校教育の接続に関する調査研究」)。焦らず、お子さんのペースに合わせて、学ぶことへの興味を育みましょう。

新中学1年生の親御さんへ:自立を促し、成長をサポートするために

中学校では、小学校と比べて教科担任制になり、関わる先生の数が増え、定期テストや部活動も本格的に始まります。お子さん自身も、「もう小学生じゃないんだ」という意識を持ち始め、より自立心が芽生える時期です。

自立を促す見守りを意識する

中学校では、小学校以上に「自分のことは自分で」という姿勢が求められます。親御さんは、「中学1年生ならどこまで自分でできるべきか」を意識し、過干渉にならないように注意しましょう。心配な気持ちは理解できますが、過保護は子どもの成長を妨げる可能性があります。お子さんの年齢よりも1~2歳上と捉えて対応していただけるといいと思います。

信頼して任せる

中学生になると、親が思う以上に自分で考え、行動できるものです。宿題の管理や時間割の準備など、できることは本人に任せてみましょう。もちろん、困っている時には手を差し伸べることも大切ですが、まずは本人に考えさせる機会を与えることが重要です。

成長を認め、褒める

テストの点数だけでなく、努力した過程や、できるようになったことを具体的に褒めてあげましょう。「すごいね」や「偉いね」という褒め方は馬鹿にされているのかなと子ども達が受け取ることもあります。「前より時間配分が上手になったね」「難しい問題に粘り強く取り組んでいたね」など、お子さんの頑張りを労う言葉は、自己肯定感を高め、次のステップへの意欲につながります。

家庭学習の習慣づくりをサポートする

中学校では、小学校に比べて学習内容が格段に難しくなります。入学当初は、学習習慣を確立するためのサポートが重要です。一緒に時間割を確認したり、宿題に取り組む時間や場所を予め決めておくのも良いでしょう。ただし、一方的に指示するのではなく、お子さんと話し合いながら決めることがポイントです。誰かに指示されたことよりも、自分で決めたことの方が実行しやすい傾向はあります。こういったところから「自分のことは自分で」を意識して対応できるといいですね。

デジタルデバイスとの付き合い方について

中学生になると、スマートフォンやSNSなどのデジタルデバイスに触れる機会が増えます。家庭内でルールを設け、適切な使い方を話し合うことが大切です。総務省の調査によると、中学生のスマートフォン利用時間は増加傾向にあり、情報リテラシー教育の重要性が増しています(出典:総務省「情報通信白書」)。フィルタリング設定の活用や、利用時間、利用する場所などを親子で話し合い、ルールを作っていくとよいでしょう。

新学年共通して言えること:子どもの頑張りを認め、寄り添う姿勢

新学年が始まる4月は、子どもたちにとって心身ともに緊張する時期です。学校で精一杯頑張ってきた分、家に帰ると「疲れた~」とぐったりしてしまうこともあるでしょう。

そんな時、親御さんはつい「子どもなんだから疲れたなんて言わない!」「宿題は早く終わらせなさい!」と叱ってしまいがちですが、ちょっと待ちたいですね。お子さんの頑張りを認め、寄り添う姿勢を持つことが大切です。

  • まずは子どもの気持ちを受け止める: 「疲れたんだね。頑張ったね」と、お子さんの気持ちに共感する言葉をかけましょう。
  • 休息も大切であることを理解する: 心身の疲れは、集中力や学習意欲の低下につながります。宿題をやる前に少し休憩する時間を与えたり、リラックスできる時間を作ったりすることも大切です。
  • 子どもの頑張りに目を向ける: テストの点数や成績だけではなく、日々の努力や成長を認め、褒めてあげましょう。「毎日きちんと学校に行っていること」「苦手なことに挑戦していること」など、小さなことでも良いので、具体的に褒めることが大切です。
  • 親御さん自身もリラックスする: 新学期は、親御さんにとっても何かと忙しく、苛立ちを感じやすい時期です。意識して休息を取り、リラックスする時間を持つように心がけましょう。親御さんが落ち着いていると、お子さんの安心感にもつながります。

参考資料

  • 文部科学省「幼児期の教育と小学校教育の接続に関する調査研究」
  • 総務省「情報通信白書」

最後に

新学年のスタートは、お子さんの成長にとって大きな一歩です。親御さんの温かいサポートと見守りが、お子さんの新しい生活をより豊かなものにします。焦らず、お子さんのペースに合わせて、一緒に成長を楽しんでいきましょう。

このブログ記事が、新学年を迎えるお子さんと親御さんの不安を少しでも和らげ、笑顔で新生活をスタートするための一助となれば幸いです。

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