新学期、子どもの「できた!」を見つける魔法:心理学が教える親の心構え

家庭教育の学び

4月、新しいスタートの季節。お子さんのドキドキはもちろん、お母さんだって心穏やかではいられないかもしれませんね。

「新しいクラスに馴染めるかな…」 「担任の先生はどんな先生かな…」 「学年が上がって、宿題も難しくなるけど大丈夫かな…」

そんな不安を感じているお母さんはいませんか? 実は、心がソワソワしている時ほど、私たちはある落とし穴にハマりやすいのです。

なぜ「メシテイ」のオンパレードになりがちなのか?不安と心理

それは… 「メシテイ(命令・指示・提案)のオンパレード」 になってしまうこと。

心理学的に見ると、人は本能的に「欠けているもの」「気になること」に目を向けやすい傾向があります(認知バイアス)。さらに、不安な気持ちが強まると、その傾向は増幅されがち。「うちの子、本当に大丈夫かな?」という心配が頭をよぎると、「もしかしたら、うちの子は新しい環境にうまく適応できないかもしれない」という考えが、無意識のうちに心に根付いてしまうことがあります。

「メシテイ」が子どもに与える影響:信頼感の低下

そうなると、お母さんは良かれと思って、ついつい子どもの行動を先回りして指示したり、注意したり…。

「宿題、もうやったの?」

「お友達には、そんな言い方をしない方がいいんじゃない?」

「明日の時間割、ちゃんと確認した?」

このような過干渉が日常化すると、子どもはどう感じるでしょうか? きっと、心の中でこう呟いているかもしれません。

子ども
子ども

僕(私)、お母さんに言われなくてもちゃんと自分で考えているのに…いつもいつも声をかけられて全然信頼されていないんだな…。

と感じることも少なくありません。これでは、お母さんもお子さんも、お互いに疲弊してしまいますよね。子どもが「どうせ親は自分のこと信じてくれないんだ…」と感じるようになる(学習性無力感)と頑張ろうという気持ちさえ摘んでしまうこともあります。気を付けたいですね。

今日から始めよう!「1日1個、子どもの良いところ探し」

そこで、今日からぜひ試していただきたいのが「1日1個、子どもの良いところ探しをする」 という習慣です。

「毎日、笑顔で学校に行ってくれている」

「苦手な野菜も、一口は頑張って食べてくれる」

「下の子の面倒を、優しく見てくれる」

どんな小さな・些細なことでも構いません。毎日子ども達と共に生活していると見落としがちな部分を見直していきませんか?過剰に子どもを褒める必要はありませんが、常日頃から親御さん側が子どものいいところを見てあげようとする姿勢は、子ども達にも伝わります。我々大人も、会社の上司があら捜しをしているな…という雰囲気は感じることもあると思います。いい雰囲気を家庭で作るためにもお互いのいいところを見つけあえるような雰囲気は維持できるといいですね。

なぜ「良いところ探し」が効果的なのか?心理学的な裏付け

心理学には「選択的注意」という言葉があります。これは、私たちが意識的に、あるいは無意識的に、周囲の情報の中から特定の情報に焦点を当てる傾向のことです。不安な気持ちが強いと、どうしても子どもの「できていないこと」ばかりに目が行きがちですが、意識的に「良いところ」を探すことで、この選択的注意の方向性を変えることができるのです。

選択的注意の方向性を変える

意識的に良い点を探すことで、脳はそちらの情報にアンテナを張り始めます。これまで見過ごしていたお子さんの頑張りや成長に気づきやすくなるでしょう。

ポジティブな感情の連鎖

子どもの良いところを見つけ、それを認識することで、お母さん自身の気持ちもポジティブになります。穏やかな気持ちで子どもと接することで、子どもも安心感を覚え、良い行動をさらに促すという好循環が生まれます。

「良いところ探し」がもたらす具体的な効果

「良いところ探し」を実践することで、以下のような効果が期待できます。

お子さんへの見方の変化

毎日一つでも良いところを見つけることで、「うちの子はダメな子だ」というネガティブな思い込みから解放され、お子さんの成長や努力に気づきやすくなります。

お母さんのイライラ軽減

子どもの良い面に目を向けることで、些細なことでイライラすることが減り、穏やかな気持ちで接することができるようになります。ポジティブ心理学の研究でも、感謝の気持ちを持つことが幸福度を高めることが示されています。

親子の信頼関係深化

親が自分の良いところを見てくれていると感じることで、子どもは安心感を覚え、親への信頼感も深まります。「メシテイ」の言葉が減ることで、子どもは「自分は信頼されている」と感じ、自己肯定感も育まれます。

子どもの自己肯定感向上

親が認めてくれることで、子どもは自分の存在価値を感じ、自信を持って行動できるようになります。成功体験だけでなく、努力やプロセスを褒めることも、自己肯定感を高める上で重要です。

今の時代にマッチした「良いところ探し」のヒント

現代社会は、情報過多で何かと比較しやすい環境です。SNSなどを見ていると、周りの子どもたちが何でも完璧にこなしているように見えてしまい、焦りや不安を感じることもあるかもしれません。これは我々大人も感じてしまうところでしょう。大人よりも子どもの方が圧倒的に身近なSNSです。知らぬうちに焦りや不安を感じてしまっている…ということはあるかもしれませんね。

わが子のペースを尊重する

大切なのは「わが子のペース」を尊重すること。発達のスピードは一人ひとり異なります。他の誰かと比べるのではなく、お子さん自身の成長に目を向けましょう。人それぞれ得意不得意はありますので、それに応じて子ども達のペースも変わります。自分のペースが遅いことを気にしている子もいますので、しっかり話を聴きながらできることを一緒に見つけていきたいですね。

過去の成長と比較する

「去年はできなかった〇〇ができるようになった」「以前は嫌がっていた〇〇に挑戦している」など、過去のわが子と比較することで、成長をより具体的に感じることができます。子ども達も自分のこと、日々のことに精一杯で生きているので、自身を振り返るということはそうありません。子どもすら忘れているようなことも、ふとした時に親御さんが「前よりもこういうところできていたね。」などと教えてあげるだけでも、子どもは活力を見出すことがあります。

子どもと一緒に「良いところ」を見つける

「今日の〇〇ちゃんの頑張っていたところは何かな?」と問いかけ、お子さん自身が自分の良いところに気づくきっかけを作るのも良いでしょう。自己認識を高める良い機会になります。子どもに聞いてあげると、大人からは見えていなかった部分での努力なども知るいいきっかけになることもあります。

SNSとの付き合い方

SNSの情報に過度に影響されないように意識しましょう。他のお子さんのキラキラした部分だけを見て焦るのではなく、「うちの子の良いところ」に意識を集中することが大切です。ソーシャル比較によるストレスを軽減する工夫も必要です。

親が余裕を持つことこそが、子どもの成長の土台

新学期は、子どもにとって大きな変化の時期であり、親が思う以上にストレスを感じやすいものです。だからこそ、お母さんは「今日もうちの子、なりに頑張っているんだな」と、少し引いた目線で、温かく見守る余裕を持ちたいものです。お母さん自身がリラックスすることも、お子さんの安定につながります。

まとめ:「できた!」を見つける魔法で、笑顔あふれる新学期を

「メシテイ」や「ダメ出し」の言葉をグッと堪えて、お子さんの頑張りを認め、良いところを見つける。その小さな積み重ねが、お子さんの自信を育み、親子の笑顔を増やしていくはずです。

今日から、お子さんの「できた!」を見つけ子どもの成長をしっかり受け止められる親御さんになっていきたいですね。

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