不登校の要因は、学校環境や家庭環境、心理的・社会的な問題などさまざまなものが絡み合っています。
各要因に対する解決策を丁寧に進めることで、子どもが学校生活に戻りやすくなる可能性があります。

鈴木博美
みなさん、こんにちは!
今回は前回のブログ記事の【解決編】について書いていきます。
不登校の要因に関してまとめた記事はこちらになります。(合わせてご覧いただけるといいと思います。)↓↓↓
原因の数だけ解決策はある

前回のブログ記事でも挙げた通り、不登校の要因はほんとうに様々です。
子どもの数だけ要因があると捉えていただいた方が自然ではないかと思います。
また、要因が複数複雑に絡み合っているケースも多く、一概に1つの解決策だけで何とかなるという問題でもありません。
どの解決策がご自身のお子さんに合っているのかを見極めていくことも非常に大事になってきます。
ただ、ここに関しての判断は非常に難しく間違った対応をしてしまうと、状況が更に悪化してしまうこともあります。慎重に判断していきたいところです。
学校環境に関する要因への解決策
いじめ・人間関係のトラブル
- 学校との連携:まず、いじめの兆候がある場合は、学校や担任にすぐ相談し、いじめ対策を取ってもらうことが重要です。いじめが深刻で学校側の対応が十分でない場合は、教育委員会や弁護士への相談も視野に入れます。
- 転校やクラス替え:環境をリセットするために、転校やクラス替えを検討するのも一つの選択肢です。新しい環境で気持ちを切り替えることで、子どもの不安が軽減することがあります。ただ、この選択肢の場合リスクがあることも考慮すべきであると考えます。転校などの時期によっては、お友達関係がすでにできあがっている状態の中に入っていかなければいけないなどがありますので、慎重に判断したいところです。
教師や学校との相性が合わない
- カウンセリングや話し合い:学校のカウンセラーや教育カウンセラーと一緒に、子どもが感じている不満や違和感について話し合います。場合によっては、教師と直接コミュニケーションを取り、誤解や不満を解消することも効果的です。
- 学校選択の自由:どうしても学校の方針が合わない場合、他の学校(私立、通信制高校など)や、フリースクールの選択肢も考慮します。今の時代、学校以外の居場所はたくさんありますので、社会とのつながりを絶たないようにという部分を意識していけるとよいでしょう。
授業についていけない
- 個別指導の導入:家庭教師や塾などで個別指導を受けることで、学習の遅れを取り戻すサポートを行います。塾などを拒否する子どもも少なくありませんが、拒否するということはそれだけ子ども側に必要性を感じていない可能性は考えられます。ただ単に「塾に行った方がいいよ。」という話だけではなく、何故行った方がいいのかという部分も伝えていけるといいでしょう。学校内で支援が受けられる場合もありますので、学習支援制度について学校に確認します。
- 学校内の支援活用:学校内に「特別支援学級」や「個別対応プログラム」がある場合、それを利用することで子どもが学びやすい環境を整えます。
クラス替えや転校による環境の変化
- 適応支援:新しい環境への適応を助けるため、カウンセラーやスクールカウンセラーによるサポートを受けることが重要です。特に、社交的な不安がある子どもには、リラックスできる環境づくりが必要です。
- 友人関係のサポート:新しい友達を作るのが難しい場合もありますので、担任の先生にも相談しながらサポートしていくとよいでしょう。特に学校行事などには準備の段階で子ども同士仲良くなることもあります。子どもが行けそうなタイミングにはなりますが、参加できるようにサポートしてあげるのもいいと思います。
家庭環境に関する要因への解決策
家庭内の問題(両親の不和、離婚、DVなど)
- 家庭内カウンセリング:家庭内の問題が原因で不登校が発生している場合、家庭全体を対象にしたカウンセリングを受けることが有効です。親子関係の改善や、夫婦関係の調整が必要な場合があります。「みちびき」の支援の中でも夫婦関係の相談は多く、夫婦だから言い難いということもあるでしょう。夫婦の仲がいいに越したことはありませんが、子どもの為に同じ方向を向いて頑張るという部分が一番大事であると思います。
- 安定した生活環境の提供:経済的な問題や両親の不和がある場合、可能な限り子どもに安定した生活環境を提供することが重要です。周囲の支援や福祉サービスを活用することも一つの手です。
過干渉・過保護な親
- 親の教育:親が過干渉や過保護である場合、まず親自身がカウンセリングや家庭教育支援を受け、子どもの自立を促す育て方を学ぶことが必要です。子どもに対して、適切な自由と責任を持たせることが、子どもの成長に役立ちます。「みちびき」では親子間の適切な距離感を意識しながら、第三者という立場から冷静なアドバイスを差し上げています。親御さんに寄り添いながらお子さんへの適切な対応をお伝えしています。
- 家庭での信頼関係の構築:子どもが自分の意思で物事を決定できるように、信頼して見守る姿勢を大切にします。親の心配を子どもに押し付けてしまい、結果的に親が子どものことを信じていないという状況は避けたいところです。無理に干渉せず、子どもの気持ちを尊重することが重要です。
(3) 親の期待が高すぎる
- 現実的な期待に調整:親の期待が高すぎる場合、親子でしっかり話し合い、子どもの現実的な目標や能力に合わせた期待値を設定します。子どもがプレッシャーを感じすぎないように、親自身も「完璧でなくても良い」と考える姿勢を持つことが重要です。
- 子どもの自己肯定感の向上:日常生活の中で、子どもの成功や小さな成長を積極的に認め、子どもの自己肯定感を高めるよう心がけます。過度に子どもを褒める必要はありませんが、必要なタイミングで子どもが頑張っているところやできるようになったことなどを認めてあげることは、子どもの年齢に関係なく必要であると考えます。
個人的・心理的な要因への解決策
発達障がい・学習障がい(LD, ADHD, ASDなど)
- 専門的な支援:発達障がいや学習障がいが原因で不登校になっている場合、専門的な診断とサポートが不可欠です。心理士や発達支援の専門家によるアセスメントを受け、学校や家庭で適切な対応を取ることが必要です。子どもに発達障がいなどがあるとショックを受けられる親御さんは多いですが、発達検査などは子どもの特性を知りながらそれに合った対応をする為のひとつの方法であると捉えていけるといいでしょう。
- 特別支援教育の活用:学校内で特別支援学級や個別対応ができるか確認し、適切なサポートを受けられる環境を整えます。
自己肯定感の低下
- 成功体験を増やす:小さな成功体験を重ねることで、自己肯定感を徐々に回復させます。趣味や特技を活かせる活動に参加させ、自信を取り戻すことが有効です。特に、失敗からの成功体験というのは子どもに大きな自信を持たせることにも繋がります。失敗したからダメではなく、次にどうしていくのかというプロセスを一緒に子どもと考えてあげられると更に良いでしょう。
- カウンセリングの活用:自己肯定感の低下が深刻な場合、カウンセラーや臨床心理士のサポートを受け、自己評価を改善する手助けを受けることも検討してよいでしょう。ここは子どもの捉え方次第にもなりますが、カウンセリングを受けるということ自体が悪いわけではありませんので、子どもが「誰かに話を聞いてもらいたい」などと思っている場合は効果的である可能性はあるでしょう。
過度の緊張やストレス
- ストレス管理法の学習:リラクゼーション法やマインドフルネス、呼吸法など、ストレスを緩和するためのテクニックを教えることが有効です。子どもが自分でストレスをコントロールできるスキルを身につけることが重要です。心理学的な方法だけでなくとも、子どもが自分に合ったストレス発散方法を身に着けることが大事でしょう。生きていれば多かれ少なかれストレスはかかるものです。そのストレスと上手く付き合うことができた方が、社会でも生き延びていけると私たちは考えます。
- 安心できる環境作り:緊張しやすい子どもには、家庭や学校で安心して過ごせる環境を提供します。ストレスを感じない空間や時間を確保することが大切です。親からあれしろ、これしろなどと指示や命令や提案などが多い状態では子どもも安心して家で過ごすことが難しくなっていきます。子どもが心穏やかに過ごせる場所を意識していけるといいですね。
ゲーム依存・ネット依存
- 制限とルールの設定:インターネットやゲームの利用時間に対して、適切なルールや制限を設けます。強制的に制限するのではなく、子どもと話し合いながら段階的に利用を減らしていくことが効果的です。但し、親と子ではゲームなどに関して分かり合えない部分が多いのも事実です。話し合いの場で平行線上になってしまった時は、親の意見を通せる関係性というのも家庭では必要であると思われます。
- 代替活動の提供:親としてはゲームをあまりして欲しくないと考える方は少なくありません。それは子どもへの悪影響を心配してのことでしょう。しかし、子どもにとってゲーム以上に夢中になれるものがないのに、一方的に「ゲームはダメだ」としてしまうのは酷であるともいえます。子どもが興味を持つかどうかはわかりませんが、親としても子どもがゲーム以外に興味を持てるような環境やアプローチはあってもよいと思います。
4. 社会的・外部的な要因への解決策
(1) コロナ禍などの外部要因
- オンライン学習の活用:コロナ禍の影響で学校に行けない場合、オンライン授業や通信制の学習プログラムを活用し、学習の遅れを防ぐとともに、学校に行く準備を進めることも可能な場合があります。近年、オンラインで授業を受けられる体制が整っている学校も増えてきました。学校に行く前段階でオンライン上でクラスのお友達などと交流が持てると子ども側のハードルも低くなることもあるでしょう。
- 段階的な登校復帰:いきなり全日登校を目指すのではなく、週に数回の登校や短時間の登校から始め、徐々に学校生活に慣れていくサポートを行います。これをする場合は、学校の先生の協力も必要になってくる場合が多いでしょう。家庭だけで進めるのではなく、学校側とも連携を取りながらどうステップアップしていくのかを決めていけるとよいでしょう。
(2) いじめによるストレス
- いじめ防止のための対策:学校と協力し、いじめに対する具体的な防止策を実行します。また、子どもがいじめを受けた場合、適切なカウンセリングを受けさせ、心理的ケアを行います。
- いじめの加害者との距離を取る:必要であれば、クラス替えや転校を検討し、いじめの加害者から距離を取らせます。いじめが原因の場合は無理に学校に戻すという対応よりも、まずは子どもの気持ちを優先させてあげたいところです。
健康面に関する要因への解決策
体調不良や慢性的な病気
- 医療機関との連携:体調不良や病気が原因で不登校になっている場合、医師の診断を受け、適切な治療を行います。また、学校との協力体制を整え、体調に合わせた登校スケジュールを調整します。ここで注意したい点としては、学校を休むほどの病気なのかという点です。コロナ禍以降大事を取って休ませるという対応は親御さん達の間でも判断をされることはあったと思います。それ自体は問題ないと思いますが、学校を休むハードルを下げすぎないようにというのは気を付けたいところです。
- 無理のない登校スケジュール:病気や体調不良が原因の場合、無理に登校させるのではなく、家庭学習やオンライン学習を取り入れながら、体調が安定した時期に段階的に登校を進めます。
精神的な健康問題(うつ、パニック障害など)
- 専門家による治療:うつやパニック障害の兆候が見られる場合、早期に専門の医師やカウンセラーに相談し、適切な治療と支援を受けることが必要です。
- 薬物療法と心理療法の併用:医師の判断で必要ならば、薬物療法とカウンセリングを併用し、段階的に回復を目指します。
まとめ

不登校の要因に対する解決策は、その原因や状況に応じて個別に対応することが大切です。
特に、子どもの気持ちに寄り添い、焦らずにサポートすることがポイントとなります。
親だからこそ我が子のこととなると焦ってしまう・心配してしまうという流れになることは致し方ないと思いますが、どうか焦り過ぎて間違った対応をしてしまわないように家庭だけで抱え込まず、学校、カウンセラー、医師、外部のサポート機関(民間機関など)を活用することが重要であると考えます。
何よりも親御さんがおひとりで悩まれないようにしていただけるといいなと思います。
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